限られた敷地⾯積の中で建てる⼩さな家、狭⼩住宅こそ、デザインの⼒で豊かな場を⽣み出すことのできる、設計の⼒で空間の質が⼤きく変わる住宅です。
限られた⼤きさのなかでも、
「狭さを感じることなく、のびのびと暮らしたい」
「年月とともに変わっていく家族の状況に柔軟に対応できる間取り」
「収納のスペースもしっかりと確保したい」
など、様々なご要望をかなえるために意識するポイントを「デザイン」と「法規」の⼆つの視点からいくつかご紹介します。
窓や吹抜けなど、視線や⾵、感覚的に抜けていく場所をつくります。
周囲が建て込んだ場所では、天窓や吹き抜け、中庭などで内外の環境を上手に使い広がりのある空間となります。
<実践事例>
部屋は必要な時に必要な場所につくります。
家族の成⻑や誕⽣、状況の変化に合わせ部屋が必要なった時に、壁や引戸で空間を間仕切る、建築当初は吹き抜けとしておき必要な時に床をつくって部屋にする。
そして部屋が必要なくなった時には元の広い空間に戻すなど、間取りは時間を追って変えられるものだと意識します。
建てた時が完成ではないという安⼼感を享受します。
<実践事例>
⾯積の狭さは⾼さでカバーします。天井を⾼くするとそれだけで感覚的な広さが⼤きく変わります。
全ての場所の天井を⾼くする必要はなく、上げる場所と抑える場所、メリハリをつけて⼼地いい場所をつくります。
<実践事例>
限られた敷地の中で広い庭を設けることは難しいですが、それに代わる場所として屋上を活用します。
地上の庭に⽐べて⽇当たりや⾵通しもよいことが多く、庭にはない⼼地よさを得られる場所です。
<実践事例>
階段下やロフト、天井⾼さの取れない場所、床下など、収納スペースは⼯夫次第でいろいろな場所に設けることが可能です。
また、例えば、浴室と洗⾯の間の間仕切りを壁ではなくガラスとすることで、本来なら15cm程度必要な厚みを1cmほどに抑えることができます。
視覚的な広がりを生むだけではなく、狭⼩スペースの⽔まわりではこの15㎝の違いが使い勝手に⼤きく影響します。
<実践事例>
すっきりシンプルな設えでつくることで、空間の広がりを感じることができます。
ドアや棚、階段のデザイン、照明の計画など、微細な違いの積み重ねが⼤きな違いを生み出します。
<実践事例>
「地下は住宅全体の1/3まで容積率に算入されない」「ロフトはその階の床面積の1/2まで容積率に算入 されない」「駐車場、駐輪場は、住宅の1/5まで床面積に算入されない」「屋上は床面積に算入され ない」など、建築の法規には面積上の様々な緩和があります。
それらを活用することで必要な空間を つくり出します。
<実践事例>
面積と同じように法規上の検討が必要な様々な高さの制限は、天空率の計算という方法を用いることで 緩和する
ことができ、より高い建物を建てることができることがあります。